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2016-12-09

この世界の片隅に

 原作未読、CMすら未視聴の状態で見に行きました。

「頭が痛くなるくらい泣いた」という声を聴いていたので涙腺の緩い私もそうなるかなと思ったのですが、私はたまに目の淵に涙がたまる程度で、泣いた!!という感じではありませんでした。

 じゃあ良くない映画だったのかというとそうではなくて、とても良い映画で、なんだかただただ圧倒されている内に終わってしまった感じです。

 見終わった後は肩がバキバキで、それくらい微動だにせずスクリーンに集中していたのだと思います。「あと何分くらいかなぁ」とか「まだもう一盛りあがりあるよなぁ」とか、そういうことを考えている隙がなかった。

 情報量が多くてテンポが速くて、それについていくのに必死っていうのもあったけれど、8月6日、お義姉さんがすずさんの髪を梳いているシーンで心臓がバクバクして息苦しくなって、その時にハッと「あ、めっちゃ入り込んでた」気づきました。

 考証がどうとか、フード演出がものすごく効果的でどうとか、そういうこと全部後から聞いて「なるほど…?」と思った程度の私なので何にもうまく言えないんですが、そんな阿呆すら圧倒する何かがあったということなんだと思います。

 とにかく原作に魅せられた人たちが丁寧に丁寧に作った作品なんだなって、2時間全部から伝わってくる映画でした。

 映画館を出てもぼぉっとしてしまって、梅田の街中ですら音が遠く感じられました。

 誰かと見るのもいいけれど、一人で見るのもおすすめです。