憐れんでんじゃねぇ殺すぞ

　他人の幸せについて「それって本当に幸せなのかな？」と謎に可哀想がってくる人がいたので「ハァ？」と思った。

　Aさんにとっては趣味が一番大切で、趣味のために生きていて、そんな生活が幸せで、生活費以外のすべてのお金を趣味につぎ込みたいし、結婚願望はないのだと言う。

　それに対してBさんは言った。「そんなのは間違ってる」「いつか虚しくなるよ」

　Bさんにとっての幸せは結婚して子どもを産んで親に孫の顔を見せる事らしい。それはそれは素晴らしいじゃないか。幸せな未来予想図だね、もちろんそう思う。Bさんがそれを幸せと思うなら、Bさんはそれに向かって邁進すればよろしい。私もAさんもそれを否定しない。だからAさんを否定してきたことに驚く。知らんがな。俺は俺、お前はお前、よそはよそ、うちはうちだろ。

　誰かと生きていきたい人間に一人で趣味に生きろとは言わない。だから一人で趣味に生きたい人間に誰かと生きることを強要するなよ。結婚より優先順位高いことがあっちゃいけないのかよ。何様か知らんけど勝手に可哀想がってんじゃねぇ。

　私についても、たぶんBさんは言う。「そんなので楽しいの？」とか「そういうの捨てていかないと幸せになれないよ」とか。

　うんうん。わかったわかった。

　私はBさんを心からきっちりと追い出して、二度と関わるまいと決めた。そういうことの積み重ねで、友だちは減っていく。

「そういうのもぐっと我慢しないと。人間関係なんてそんなもんだよ」

　そうそう、我慢できない私が人間として未熟だね。友だちいなくて可哀想？ハイハイ、そうだね。その通りだよ。

　あーうるせぇ。他人をむやみに憐れむな。殺すぞ。